初日は、エルマガジンの稲森さんの司会のもと堀部さんによる著書「街を変える小さなお店」についてのトークイベント。
京都の中心から離れた学生街、左京区にある恵文社一乗寺店が、その独自性をきちんと守りながら、流通の事情に流されず、時代性とリンクさせ、全国からファンが訪れるような書店になるまでのお話と、さらにそこには簡単に新しいものに迎合しなかったり、人との繋がりや文化を大切にする京都人的な美意識が背景にあることなどを、京都の個性的な喫茶店や居酒屋のエピソードを交えながら話してくれました。
そして、2日目は堀部さんと庄野さんがそれぞれ5冊の本を選んでくれてその本について話をする
ブックトーク。
それぞれの"らしい"セレクトの本のお話は楽しく、あっという間の90分でした。
本の話をしながらも、今回の共通のテーマでもある、街やお店の話にもなりました。
前日の話では京都人の美意識についての話がありましたが、庄野さんは「教養と想像力」と表現し、それを求めていくことで、日々の生活がより楽しくなるのではと伝えてくれました。
お二人ともそんな美意識を大切にしながら、同時に自己満足の押しつけではなく、お客さんに喜んでもらってこそ価値を生むという商売の最も大切なことが基盤にそれぞれのお店を運営しています。
それこそ新しい文化が生まれたり、街が変わっていくために必要なことなのだと感じました。
それはぼくらも同じ想いで、安さや便利さなど合理性を追求したお店だけでなく、それ以外のことに価値を置く店も大切で必要で、それこそが毎日の生活を楽しくしてくれると考えています。
それ以外の価値とは何か? そのヒントは、堀部さんの著書「街を変える小さなお店」や、お二人が選んでくれた本にあるのかもしれません。
最後にその10冊を紹介したいと思います。
<恵文社一乗寺店長 堀部さん>
街とお店を考える本をテーマに
『本屋一代記 京都西川誠光堂』松木貞夫
『京都の平熱』鷲田清一
『ぼくは本屋のおやじさん』早川義夫
『サードプレイス』レイ・オルデンバーグ
『左京都男子休日』男子休日委員會
<アアルトコーヒー 庄野さん>
『椿姫を見ませんか』 森雅裕
『小説家という職業』 森博嗣
『澱み』 ヘルタ・ミュラー
『珈琲時間』 豊田徹也
『ラブ・レター』 小島信夫